「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」鑑賞。

  • 今日は昼の釜出しがなかったので、映画を見に行く事に。

ホントは水曜日ってレディースデーで、昼間はオバハンばっかりなイメージで敬遠したかったんですが、まあ、そんなにメジャなもんでもないし〜と行ってみた。実際そこまで多くなかったし。 昔、「アメリ」が上映してた時のレディースデーはすごかった。あと偶々「耳に残るは君の歌声」ってのを見に行ったら水曜日でウンザリするほどオバハーンが多かった…。きっとその記憶でレディースデーがキライなんだろうなァ。

  • 上映前に目の前に座った(恐らく)女子高生二人がコンビニ袋ガサガサいわせて、ポテチ開ける音がして、うすしお味とうめ味を食べ比べて喋ってた時は諦観の念に到りましたが、上映始まると流石におとなしくしてました。良かった、前の座席を蹴らずに済んで。
  • そんな話はどうでもよくて、映画ですが、かなり良かったです。以下、序盤のあらすじ。

始まりは田舎の道路にクロネコが一匹。そしてタイトルバック。するとダンプがつっこんで来て急ブレーキでスリップして、道路を脱線する。俯瞰カメラでゆっくりトラックの後ろを映し出すと、真っ赤なタイヤのアトが二本。そして、映し出される呆然とした田舎くさい少女。場面は変わって葬式シーン。出棺のため遺影を持って並ぶ少女、兄、兄嫁、近所のおばさんの視線に同調したカメラワークと小声の会話で、特にネコ好きでもないのについ轢かれそうになったネコを助けようとして轢かれた母とそれを助けようとして父まで轢かれた事、あとには3人しか残っていない事が分かる。そしてそのあと親族たちの通夜で少女を慰めようと兄嫁が声をかけるが、会話の途中に庭先に迷い込んできたネコを見て「あら、かわいー」と無邪気に言う。唖然とした少女の視線に失言をしたことに気付いた兄嫁が「コラ!ネコめ!このやろー!!」と間の抜けたフォローをする。そして誤魔化すかのように、「そういえばお姉ちゃん、女優さんなんでしょう?今日帰ってくるらしいわよ?」と話題を変えると、そのことにショックを受けた少女は喘息の発作を起こす。驚いた兄嫁は吸入器を取りに行く。騒ぎに気付き親戚が集まり、兄が兄嫁を叱咤し、吸入器を捥ぎり取り、親戚で押し合いへし合いしてる中自分がやりますと取りすがる兄嫁を力いっぱい突き飛ばして少女に渡す。突き飛ばされた兄嫁は冗談みたいにゴロゴロ転がってフスマにぶつかる。苦しんでいる兄嫁の目に前にドサリと投げ出されるバッグ。見上げてみると、垢抜けた女性が「あんた、ここのひと?」とつっけんどんに言う。彼女が義妹である事を悟り、初対面の挨拶をすると、彼女は「三千二百五十円」としか言わない。何かと思えば、外で待ってるタクシーの代金のことだった。
えーとですね、コレで伝わったかどうか怪しいものですが、取り合えず笑いが黒いです。特にネコ好きでもないのにネコ助けて両親が死ぬ。そういう経緯なのに、うっかり「ネコカワイー」とか言っちゃう。夫婦仲の疎通がなってない。姉がおかしい。 このあとも、自己中心的で自意識過剰な勘違い姉をメインに話が進むわけですが、一概に姉の性格だけがおかしいだけじゃない。それを取り巻く、ケータイも通じない山奥のド田舎な環境の描写が、なんつーか「この監督(原作者?)田舎が大っ嫌いなんじゃね?」ってくらいの絶望的な閉鎖空間。うまく言えないけども、澱んでる感じがする。しかも、下手に中途半端なメディアの情報のおかげできったねーギャル男とかはいる。(ギャル男ってまだ言う?)田舎でスローライフの夢みてるヤツは電通の思う壺ってよく言うけど(誰がだ)ホントそんな感じです。
あと、キャラにかんしては兄は総受け体質(笑)っつーか流され体質。兄嫁は電波系天然、少女は…鬱屈を創作で昇華させることが出来る事に気付くって流れのキャラでした。ちょっと違うか。あと、この少女が、上でも言ったけど田舎くさいカッコ。具体的に言うと、真黒い髪をただ伸ばしてるだけ。(多分)ノーメイクでもっさいメガネにチェックのネルシャツ、ジーパン、くてくてのジージャン。やけにでっかいバック。コレでもかといわんばかりのステレオタイプなヲタ女。…激萌え。(えー)メガネはずしてるシーンは普通に可愛かったのでそう言うスタイリングなんでしょう。すごいなァ。…ちなみに今女優名でググって見たら公式ブログ発見普段は普通のオンナノコですな。萌えね。(ええー)
結構当たりだったので、やっぱりレンタルででもいいのでオススメでした。