「鬼才 五社英雄の生涯」読了。

タマフル案件。 時代劇研究家・春日太一による、テレビ業界と映画業界の合間で歴史から見落とされゆく映画監督、五社英雄の生涯。

自分がハタチすぎてサブカルい映画を見始めたので、いまいち邦画には、とくに昭和の邦画には全く明るくなく、ミフネもクロサワもそれほど見てないぐらいだから
五社英雄なんて全く知らず、この本を通して初めてこんな濃いキャラクタと作品を残した映画監督がいることを知った。


1960年前後、テレビが家庭に普及し、テレビドラマが流行り出したころ、当時一番の娯楽であった映画に負けじと様々な新たな試みをテレビドラマで生み出した五社英雄
映画業界からの反目に負けじと撮りあげた映画の数々と、それにまつわる業界と人間との関係。
その数あるエピソードの一つ一つが、それこそいくつものドラマとして劇的に苛烈すぎる。
「血に狂った劇画のようなエロと血しぶきのバイオレンス」
「小粋で凄くてパンチがあってバッタのようにはねていて、極彩色の毒がある。」
「赤裸々な欲望ぶっつけあう、いとしく、やさしく愚かしい、一生懸命生きている、人間どもを描きたい」色にからんだ情念の大人の愛も塗り込めたい」
この刺激的な五社節が、その作品だけでなく彼自身の生涯をも表している。


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