「ほんとはこわい「やさしさ社会」」読了。追記。

もう、内容について語るのがだるくなってきましたので面白かったトコをそのまま紹介。

  • 最近よく聞く、学校裏サイトでのイジメがどうのこうのって、全く実感がなかったんですが、実際にその標的にされた少年の体験談に、嫌がらせメールが来るので、メルアドを変えても、まだ嫌がらせメールが来る。更に彼がもっとも怖いと思ったのは、「学校では誰も自分のことを嫌っておらず、笑顔で話しかけてくること」だそう。

………、コレは怖い。それで気がついたんだけど、メルアド変更して、そのむね通知するのって仲間内なハズなのに、更に嫌がらせメールが来るってことは、友達と思ってる人が、自分を誹謗中傷する。しかも、それがダレだか全く見当がつかない。
われながら気付くのが遅すぎますが、コレはこわすぎる。特に高校生未満なんて、まだ友達や仲間というコミュニティに幻想を抱く年頃だから、そんな時期にこんな状況になったら人間不信になるわ。よかった、オレ、この年齢にケータイが流通してなくて。

  • 社会学には「結合定量の法則」と言う概念があるらしく、人が他者と持つことのできる人間関係の量は一定だそうで。コレはオレは早い時期から意識してたなァ。小学5年ぐらいのときに2グループと同じぐらい深く付き合ってたら、自分を挟んで三角関係状態になったことがあって、それ以来意識するようになりました。まァ男同士のグループでしたが。
  • 現在の資本主義社会の通説として、「人生は楽しい」と言うものがありまして、この通説に乗っ取って、「コレを買えば楽しくなりますよ」「ココに行けば楽しくなりますよ」っていう文句が売りになるわけですが、まァちょっと考えれば早々楽しいことばかりであるわけもなく、それに気付かず、楽しくない自分に焦ってイライラしてしまう悪循環が起こるのですが、それによる弊害の一つが児童虐待の悪循環。

「子育ては楽しいもの」だなんて頭のおかしいウソがまかり通ってますが、あんなん傍からみてもどう考えても大変なわけで、それなのに「子育ては楽しい」だなんてウソに騙される「真面目な親」は、ある種毎日子供に裏切られているような気になってしまいます。
「楽しくしよう、やさしくしようと頑張っているのに、どうしてこの子は私の努力に協力しないの」と、子供が憎くなってくる。その結果、子供に暴力を振るってしまう。
しかも、このケースは虐待と愛情の注入を繰り返す。 虐待→反省→愛情の注入→虐待→反省………という循環。しかもどんどんエスカレートしていく。
これ、「うみねこのなく頃に」の真里亞と楼座の関係ですね。


なかなか面白い本でした。またこの本から興味がわいた本が二冊。

若者殺しの時代 (講談社現代新書)

若者殺しの時代 (講談社現代新書)

また来週買いに行こうかしら。