「許可証をください!」読了。

知り合いから勧められて借りる。 女性から借りたBLの濡れ場シーンとか読んでると、どきどきする。…変? 変態?

許可証をください ! (二見書房 シャレード文庫)

許可証をください ! (二見書房 シャレード文庫)

中小化学薬品製造業にて勤める二人の男性のBL小説。
製造業種を舞台として、様々なハプニングに追われながらも懸命な努力と情熱によって難題を乗り越えていく成長物語の側面も。
それはそうと前原さんが我慢強い反面、突発的に強烈なアプローチをしてきてどきどきモノです。けだもの!


「クレーマー」の使い方は面白かった。後に前原の言動と絡める構成が特に。

「(略)―――ところで、クレーマーって言うのを阿久津君はどう考えてます?」
「クレーマー…ですか?」
それはつまり声高に文句を言う、今日の片山のような感じの…と、考えたのが顔に出たのだろう、弘が質問に答える前に矢野は言葉を継いだ。
「苦情ばかり言う”やっかい者”というか、なんだか日本ではあまりいいイメージでは取られなくなっちゃいましたよねぇ。クレームも完全な“いちゃもん”扱いされてるし――でも、もともとクレームって言うのは、自己主張のことなんですよ。知ってました?」
「…あ、いや、詳しくは」
「でしょう、私も勉強したんです。いろいろと悔しくて」
はははは、と笑って、矢野は次のビールを注文した。
「クレームと言うのは正式には“矛盾や異議を恐れずに何かを主張する”と言う意味の言葉なんです。権利を主張するとかね。なんだか強い意志を感じさせる単語でしょ?泣きながら辞書を引いてびっくりしたんですよ」

矛盾や異議を恐れずに、何かを主張する。それはまさに、同性愛者を含めた、マイノリティの一つの矜持だと思う。