「人生解毒波止場」読了。

最近、幻冬舎文庫で文庫化しだしたうえに、町山智浩さんの解説がつくということで「因果鉄道の夜」に続き講読。

人生解毒波止場 (幻冬舎文庫)

人生解毒波止場 (幻冬舎文庫)

解説で町山さんが対比していたように、みうらじゅんサブカルだとしたら、根本敬はアングラである。
前者は人が見逃していた、気に留めていなかったものを収集するのに対し、後者は人が目を逸らし、見ないようにしているものに入り込んで、記録する。


電波な人や、浮浪者、ゴミ屋敷、身障者、秘宝館、ディープ・コリアetc...読んでいて、よくもまァ、こんなに変な人たちと、変な出来事にめぐり合うものだと思うが
逆に考えると、如何に自分がそれらから目をそらしているのか、ということに気付かされる。


まるで、見世物小屋のようにそれらをフリークスとして楽しんでしまった後、根本敬によるあとがきにて、自分の立ち位置を揺さぶられる。
そして、その根本敬の覚悟を裏付ける町山さんの解説に、アタマの中が渾沌となる。


こうまでして、「でも、やるんだよ」と有言実行しているのか……。空恐ろしいものがある。