「一私小説書きの弁」読了。

芥川賞風俗発言にて一躍時の人と相成った西村賢太の現在唯一の随筆集でありんす。
本日、夜19時から周船寺にて青年農業者連絡会の会議があったのはいいとして、21時ぐらいの帰りの電車で反対方向に乗るという失態。
筑前前原まで行ってしまい、博多駅までの電車を待ってる間を含めて、23時まで読書に専念できました畜生。

随筆集 一私小説書きの弁 (新潮文庫)

随筆集 一私小説書きの弁 (新潮文庫)

酒と性欲と暴力に満ち満ちた著書の私小説に垣間見える、破滅型私小説家としての卑屈さと一定の矜持、そして確固たる文学観を持っていることがわかる随筆集。
転じて、師とあがめる作家の当時と、当世の文学界の風潮、流行にも激しい憤りを感じられる。
自分がどう思われているか、どう振舞っているかを熟知していながらも、その立ち位置特有の笑っちゃうような居直り具合のセンスが素晴らしい。
廃刊する同人誌への寄稿に、のうのうと会費滞納を謝罪する一文をオチにするという愉快な慇懃無礼さに爆笑した。


いや、すごい作家だわ…。 あと侃侃諤諤でガクガクした。マイジョーの名前が出て爆笑した。