「ナイン・ストーリーズ」読了。

ひさびさユヤタン

ナイン・ストーリーズ

ナイン・ストーリーズ

ユヤタンの十八番の「鏡家サーガ」最新巻。
文学青年の思春期をぐつぐつに煮詰めたような言い回しと、意味があるのかないのかよくわかんない引用が頻出する文体にこっぱずかしさを感じつつ
それでも読み進むと、自分の思春期回路が回りだしてきて、なつかしいドライブを生み出される稀有な体験を。
相変わらずどの兄弟もイカれてて時系列をとび跳ねながらそれぞれの語り手がそれぞれの兄弟をスリリングに語ってて面白い。
「愛らしき目もと口は緑」でクライマックスに。 あとの二編はズルっと滑った感じ。
読むときにそこでインターバルを置いてしまったから、もしかしたら一気通読すればまた違う読後感になったのかもしらん。