電撃文庫2冊読了。

  • ラノベは読みやすいね。二冊消化。
学園キノ〈2〉 (電撃文庫)
元々、電撃文庫の悪ふざけ的増刊「電撃ヴんこ」にて始まった「キノの旅」のオフィシャルパロディ。この作者、「キノの旅」や「アリソン」で毎回変なあとがきを書くんですが(まえがき、なかがきはまだしも、本編風の「あとがきの国」や、表紙裏、裏表紙、対話風、寄せ書き風など)その何でもあり感を自作パロディではっちゃけてます。本編ではそれなりにまともなキャラが重火器ぶっ放す女子高生や、変態仮面なポン刀バカや、名前が犬山ワンワン陸太郎だったりする、どうにもおかしな異色学園バトルものに。今回は自作パロディ作品内で別の自作「アリソン」を演劇で演じるという混沌の極みに到るエピソードが。また、脇役の妄想内でちょっとしたファンタジーストーリィをダイジェストでエンディングまで語るんですが、そのストーリィ、ちょっと肉漬けしたら普通に本が一冊出せるって。 どうにも贅沢でおバカなシリーズです。スゴイなァ。 あと、自作パロだけでなく自らの学生時代の自虐ネタや微妙にマイナな作品のネタがツボ。マイナなパロディほどツボに入りやすいよね。とりあえず「ねこめ〜わく」と「会長はメイド様!」は分かった。そこまでマイナじゃない? あと、ガンダムネタが分かるようになって嬉しい。初っ端、厨房からの「左鍋!具が薄いぞ!なにやってるの!」「ルー!スタンバっとけ!」とか、後書き対談の「出前バイクのエンジン音がマチ○ダさんのミ○ア輸送機のエンジン音にかぶる」とか。……タイミング的にこの作者もDVDボックス買ったんじゃねーかとか思った。
断章のグリム〈5〉赤ずきん〈上〉 (電撃文庫)
童話縛りの現代ファンタジー。今回は「赤ずきん」 いつも通りちょっぴりホラーでフィジカルに痛くて民俗学などの薀蓄を散りばめた作品。後書きによると、出来るだけ一話一冊でまとめようと企画して、始めて、挫けて、諦めたらしい。笑った。 あと、この作者は「Missing」の時から、眼球にコナゴナになった鏡のカケラを眼球に押し込むとか言う、読んでて叫びたくなる描写を書くのだよ。ネチネチと。文芸書で出たMissingの外伝的作品「夜魔」では神経に到達するほどリストカットする描写があった。前回は石鹸にまつわる怪異で皮膚がただれ、肉体が解けてました。えー今回もあります。あのね、体の内外から針が…ぎゃー。コレで本人は痛いの嫌いだって言うのだよ。キライだからこそ思いつくのかね。勘弁してくれ。 しかし、今回気になったのが挿絵。イラスト自体は作品にピッタリ。ただし、挿絵はだいたい各章の最後に見開きで挿入されるんですが、そのシーンのセレクトが直前のストーリィ進行と合ってない。さらに、本文中の描写とあってないトコが一箇所。「完全に死体の色をした真っ白な腕」って描写なのになんでイラストが白骨やねん、こらー。 Missingの時のイラストレータの構図がかなり合ってたんだけれども、今回のイラストレータはそれに引きずられてる感があるよ。がんばれ、超がんばれ。