出先で読書。

  • 今日明日と父親がいないので代わりに自分が出荷に。包装センターでコンテナを降ろし終わると小一時間ほどヒマが出来るので積んでいた「夢野久作全集」の8巻を持っていく。「空色勾玉(そらいろまがたま) (〈勾玉〉三部作第一巻)」も途中なんだけど、どうせ読みきれないんだから全集でこまかいのを消化しようという腹。んでコンビニでお昼を買ってコーヒー飲み飲み読書にふける。「青ネクタイ」「崑崙茶」「キチガイ地獄」の三篇を読了。まァアタマ2編はまとめて「狂人は笑う」って一篇なんですが。「崑崙茶」は途中まで読んで、吉野朔美の「瞳子」で取り上げられていた作品であることに気付く。あーコレか。……ちょっと内容違うけど。この三篇は共通してキチガイの話。ホントこの作者脳髄ネタ好きやなー。そして上手いなー。「キチガイ地獄」のラストの読者の振り回し加減は激しすぎる。読み終わったあと脳内でコレ上手くすればコミカライズ出来るんじゃないかと色々妄想してました。チャック・パラニュークも真っ青なドンデン返しでした。 養老孟司岸田秀の言う唯脳論、唯幻論をそれらが発表される前からこうも巧く物語として利用できるなんてなァ。タイトルはアレだけど、「キチガイ地獄」は傑作ですわ。

夢野久作全集〈8〉 (ちくま文庫)

夢野久作全集〈8〉 (ちくま文庫)