諸星大二郎作品レビュー。

昨日、途中で投げた借りたコミックレビュー。諸星大二郎編。
もうね、ディープな民俗学モノか、シュールなSFものの2択と言う、かなり体力を使う作品ばっかりで疲れました。軽くレビューしたいです。

長野県からはじまって、福岡にいたるという、オレのために作られたかのような作品で(妄想)。
今回借りた諸星作品の中で、一番最初に読んだんですが、情報量が多すぎて疲れた印象しかないよう。面白いけども。

稗田礼二郎妖怪ハンターシリーズ第一作。暗黒神話加藤元浩の「QED証明終了」ぐらいの長さでまとめた感じ。ああ、このボリュームが最適だわ。面白い。
話にだけ聞いていた「おらといっしょに ぱらいそさ いくだ!!」の元ネタが分かりました。ああ、これか。 ……これ、映画化したんじゃなかったっけ?うひゃあ。

なぜかワイド版になった妖怪ハンターシリーズ。最初の「闇の客人(まろうど)」で、主人公よりも先にジジイが鬼門に気付くのは、てめえ本当に考古学教授かよと。
表題シリーズは「先生ドアを開けちゃダメ」のくだりが面白かった。っていうか怖いよう。あと、ラストの話のおかげでもう、「とおりゃんせ」が歌えなくなりました。
怖くて……いまさら歌わないか。

今はなきサンコミックでゴザイマス。って言うか、もう朝日ソノラマ自体ないか。朝日新聞社になってる。いや、それはいいとして、この作品以下はシュールSF。
ラストの「猫パニック」が面白かった。これはアレだね、今のマスコミのマッチポンプ体質を予見してるよね。
あと、近未来の自動食料供給システムで人肉がってのはよくあるエピソードですね。昔、ガンガンのSF短編で見た気がするし、今回借りた本でもあった。見たことないけど、「ソイレントグリーン」って映画もそういうエピソードがあるらしいし。状況と環境によっては人も共食いをするかもしれないって恐怖なのかな?そのまますぎるか?

なんか、オビの折り返しに「松井 恵」って人が推薦文?を寄稿してるんだが、当時のアイドルか何かか?アイドルが薦めるにしてはかなりブラックな話が多いんですが。表題作からして無軌道な若者の虐殺ストーリィだし、「商社の赤い花」は多分、全てを省みず仕事のみに生きて、文字通り会社に命をささげる話だし、「子供の遊び」は……なんだろうな、自意識を持った子供はもはや別の生き物ってことを象徴してるのかな?「ユニコーン狩り」はよくわかんないんだけど、夜道で襲われるシーンがなんか浮いてるんだよな。あそこ、どういう意味なんだろう。あとの二編はそのまんま。……もう考えるのが疲れてきたよ。

バラエティ短編集みたいな感じかな?上記の本から再録されてる話もあるし。初っ端ゼピッタシリーズはコミカルだけど、かなり凶悪な話。表題作なんてラストで「てへ、やっちゃった」見たいな感じで肩すくめてるけど、街ひとつ滅ぼしてるから。怒々山博士シリーズはシュールすぎて考えたくない。全く関係なく「テケリ・リ」が出てきて笑った。
シマ男シリーズその他はバカバカしすぎていい息抜きになった。ラストのアリゲーターなんてオチ読めたけど、そのまますぎてオチてねーよ!
この本を諸星作品のラストに読んだのでなんかもうどうでもよくなりました。


さて、あしたは色々と買う本が多いなァ。