「蒸気駆動の少年」消化中。

殊能将之の「a day in the life」で取り上げられて面白そうだったので買った「蒸気駆動の少年 [奇想コレクション]」を消化中。
ジョン・スラディックという作家の短編作品集でゴザイマス。正直、この作者については全く知らないんですが、今6作品ほど読んでわかりました。変な作家です。
6作品っつーか最初の「古カスタードの秘密」を読めば誰でもまず気付くと思います。「なんじゃこりゃ」と。
まず、始まりからしておかしい。

アグネスは一日中赤ちゃんが欲しいと願い続けていたので、オーヴンのガラス窓を覗いて、中に赤ん坊がいても別に驚かなかった。

……ん?とちょっとどういうことか読み返してしまいましたよ。
まァこのあと、この一文の比でないよくわからない展開が起こって、でもつい納得してしまうような気になるラストでした。何だコリャ。
また、「ベストセラー」と言う作品では4組のカップルが孤島の島のホテルに閉じ込められて、ヒマだったので自分達を題材に嘘の話を作り上げようということに。
一人一日一話ずつ語られるあらすじは、初っ端8人の恋愛関係が交差するややこしい状態。これはメモらないと辛いかなーと思って二日目を読むと
「前のヤツは嘘ばっかりで、まず全員の性別が真逆だ」と暴露する。そして書き直される恋愛関係。もう、理解することをやめました。その次の日は同性愛者が出てきました。
その次の日は全員が同性愛者でした。その次の日は書き手が麻薬中毒で、バロウズばりの文体でした。もう、読んでてこっちがトリップしてきたよ。これ以上はネタバレになるんで言わない。って言うかもう充分ネタバレしたけども。
いやまったく、なんじゃこりゃ。

蒸気駆動の少年 [奇想コレクション]

蒸気駆動の少年 [奇想コレクション]