「おこりんぼ さびしんぼ」読了。
コラムの花道に影響されて購入。吉田豪編。
山城新伍が綴る、若山富三郎と勝新太郎の痛快で鮮烈な軌道と、その最期。
ふとした日常で日本の芸能業界に憂うある日、勝新太郎と若山富三郎の在りし日を回想し、今こそ客観的にあの日を語ろうと決意するプロローグ。
このプロローグ内で、「とある葉巻の雑誌で北方健三のインタビューが書いてあって云々」という記述があり葉巻の雑誌?と思って本棚から昔買ったムック本を引っ張り出す。
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まァ、それはともかく、プロローグのあと、初っ端ヒロポンエピソードで始まるという豪快すぎる当時の若山富三郎一派の実態。
彼らを取り巻く芝居の世界は、とても浮世離れしていて、それ以上に人間味あふれる、ユーモラスな世界だった。
勝新が奥さんに隠れてウイスキーと一緒に睡眠薬飲んで気持ちよくなってると、実は奥さんが中身をビタミン剤に代えていたり
若山富三郎が山城新伍にエッチなお誘いを電話でかけて、奥さんが出たときに下手な芝居をうって、逆にバレバレだったり
ディナーショウで山城新伍に一芝居打たせる話を持ちかけたら、その話自体がワナだったりと、かなり笑い転げられる。
そして、別れの時は静かに、でも確かに近づいてゆく。
家族同然に接していた仲間との永遠の別れとその葬儀は、もう、ほんと泣きそうになった。
んで、その山城新伍さん自身も現在病に伏せて入院中だそうで、なんつーか、ひとつの時代の無常観をおぼえるわなァ。
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