「エレファントマン」観賞。

先週買っておいて放置してたので観賞。 きっとこれ、本田透はボロ泣きしたに違いない。


この間プレイしたPS2のBULLY(ブリー)でも遊園地にフリークスショウがあったなァ。
そのフリークスショウの中でも、小人症やシャム双子などとは違い、純粋に醜悪な容貌に生まれついてしまったエレファントマン。極端な話、被差別の具現化という感じがする。
深い同情と、彼の容貌と境遇を研究対象にするために引き取った外科医・トリーブスは、エレファントマンであるジョン・メリックにちゃんとした知性と感情があることに気付き、彼と人間として接し、尊厳を取り戻させる。しかし、興行師・バイツの執着や、夜警の非人道な小遣い稼ぎにより、ジョン・メリックは夜を恐れるようになる…。


フリークスショウから救い出されたエレファントマンが、ゆっくりと人間として成長していく様がみてて喜ばしい。
特にその中で、ジョン・メリックを自宅に招待したトリーブスが妻にあいさつをさせたときに、初めて初対面の女性にやさしくされたジョン・メリックが涙を流すもらい泣き。
また、窓から見える大聖堂の塔の上半分だけをみて、残りを想像の限りを尽くして紙で模型を作るエピソードがシンパシー。
って言うか、これすごいよ!めっちゃうまいよ!ほとんど隻腕状態なのに…。


大女優がエレファントマンを訪問したことがきっかけになり、知識人たちの間で彼と面談することがブームになるエピソードがブラックなジョークって感じでした。
それあ結局、見世物とかわらないだよ。 そのことにトリーブスは「自分は興行師と同じではないか?」と悩む…。


そして、夜警(名前忘れた)がバーでエレファントマンを見たがる酔っ払いから小金をせしめて部屋まで連れて行き、エレファントマンを見世物にバカ騒ぎする夜。
エレファントマンが被差別の具現化とすれば、このバカ騒ぎは差別意識の実体化だ。嘲笑い、恐れ、囃したて、利用して金を稼ぐ。


そしてそういうものに容赦のないのが子供だ。終盤で追い回され追い詰められるエレファントマンのきっかけをつくったのが一人の少年だった。
全身をマントで覆い、マスクと帽子で身を隠すエレファントマンを問い詰め、意味もなく追い回す。
最終的に袋小路に追い詰められ取り囲まれたエレファントマンの叫びはしんに迫るものがある。

しかしこれ、外科医ってアンソニー・ホプキンスなのね。レクター博士のイメージしかなかったからびっくり。