「残酷号事件」&「アメリカは今日もステロイドを打つ」読了。

昨夜ビールを350を一パックとロング缶を二本飲んだら、今日おなかの調子が悪くて自業自得。


それはともかく昨日今日と読了した書籍。

残酷号事件 the cruel tale of ZANKOKU-GO (講談社ノベルス)

残酷号事件 the cruel tale of ZANKOKU-GO (講談社ノベルス)

それは自分とはほとんど関係のないところで、傲慢な強欲者たちの適当な計算と都合のいい思い込みで決定されたことに従って、善悪の区別なく“じゃあ死んでくれ”と一方的に押し付けられる理不尽にして、その現場にいるものは誰一人責任など取らないという不条理―――戦争と言う悪夢だった。

かどちんコト上遠野浩平の描くミステリ×ファンタジィシリーズ新刊。 今回のテーマは戦争と正義といったトコか。
Fateもそうなんだけど、「正義の味方」にあこがれて真剣にそれを突き詰めていくと「正義」ってのが実はすごい歪なものであることに気付く。
そのことに気付かずに正義を押し通せば狂人の独善へと至る。
そのことに気付きながら正義を押し通すには果てのない苦悩に苛まれる。
…あれ、そんな話だったっけか。 もう忘れた。


それはそうとして、かどちんは気を抜くとついつい趣味に走る傾向があるよね。仮面ライダーだよ、残酷号。


アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (SHUEISHA PB SERIES)

アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (SHUEISHA PB SERIES)

これ買うとき書店員の知り合いに「アメリカ関連の本が好きなんですね」と言われる。いや、別にアメリカが好きなわけではないよ。町山智浩の著作が好きなのよ。
きっと町山智浩がフランスやイギリスやドイツに住んでて、そこでのエッセイを書いていたらそれを買っている。…面白そうだなそれ。海外在住のエッセイスト増えないかな。


それはそうとして町山智浩氏のアメリカエッセイ、スポーツ編。良くも悪くもマッチョイズム万歳なアメリカのリアルレポートでゴザイマス。
スポーツ業界ってのは実力がハッキリわかる分、あらゆる階層の人々がのし上がることのできるまさにアメリカンドリームの象徴であり、そこらへんのイイ話はすばらしい。
反面、スポーツ業界にも一歩下がって全体像を見ると、企業の介入による商業化や、人種差別によるオーナー、監督の白人支配が歴然とある。
多民族国家としてのアメリカにおけるスポーツ事情との対比によって、自分とこの国の特徴も見えてくるんじゃないかなーと。
おいらもともとスポーツ知らんけど。

個人的に爆笑したのは「ウィリアム・ペンの呪い」エピソード。
偉人、ウィリアム・ペンの銅像のあるペンシルベニア州フィラデルフィア市。市の生みの親に敬意を払って「像の高さ(167m)以上の建築物を市内に建ててはいけない」と言う暗黙のルールがあったのだが、1987年にそれよりも121m高いビルが建設されてしまう。しかも2件も。
そこから呪いが始まり、ナショナルリーグフィラデルフィア・フィリーズは通算1万敗という記録を打ち立ててしまう。野球だけじゃなく、NFLフィラデルフィア・イーグルスも惨敗の上選手がインフルエンザで試合中に嘔吐する始末。呪いに絶望する市民達…。そして……。

ところがウィリアム・ペンの呪いは解けそうになかった。07年に今度は、高さ約300メートルのビルが建設されたからだ。もう、フィリーズは永遠に勝てないのか。
いや、大丈夫だ。よく見ろ、そのビルの屋上に高さ8センチのウィリアム・ペン人形が溶接されている!
呪いは解けた。

そんなんで解けるのかよ!! ハラ抱えて笑いました。
いや、でもその人形を作ったビルのオーナはスバラシイ人ですね。フィリーズのファンなんでしょうか。
つい先日の、道頓堀からサルベージされたカーネル人形を思い出したよ。