「難民探偵」読了。

年末年始で忙しくてちょいちょい読んだり読めなかったりだったけども、ナントカ読了。

難民探偵 (100周年書き下ろし)

難民探偵 (100周年書き下ろし)

ミステリの体をとって(とってるか?)、仕事や就職についての物語かしらん。

「結局、そういうことなんだよね――この国の問題点と言うか、いや、文化的に豊かな証と言うこともできるんだけれど。格差社会なんていって、上流であればもちろん、下流でも、そこそこセレブな生活をおくるっつーか――危機感を抱きにくい。生きて暮らせる。だけどそれは錯覚で、本当は坂道を転げ落ちるように追い詰められているにもかかわらず、飢え死にするその直前まで、討ち死にするその直前まで、自分だけは大丈夫だって思えるシステムが組みあがっちゃってるのさ」

社会的弱者のためのクッションが、そのまま真綿で首を絞める道へと続く事になってしまっているということだろうか。
有川浩の「フリーター、家を買う」と出発点が似ているのだけれども、こちらはよりライトノベルっぽい上に着地点もなく、ちゅうぶらりんなまま保留状態に落ち着く。
おそらくは、物語に対するスタンスの違いだと思う。
そのあたりを詰めて考えてみると、おもしろそうなのだけれども、まァそういうのは追々。