「シベールの日曜日」鑑賞。

名作古典映画として、そして伝説のロリコン映画として一部と一部で名高いフランス映画。もちろん自分は後者で知りました。ごめんなさい。

シベールの日曜日 HDニューマスター版 [DVD]

シベールの日曜日 HDニューマスター版 [DVD]

そんな古典映画がHDリマスターとしてDVD化。色々言われてるけどさすがだぜ、紀伊国屋書店! 「かもめの城」もお願いします。


 あらすじは、冒頭、戦闘機に乗り、とある村に機銃を撃ち込む主人公・ピエール。その照準の先に彼はあどけない少女をがいることに気付く……所で画面は切り替わる。
戦争経験がトラウマとなり、記憶喪失となった彼は病院で知り合った看護師の恋人マドレーヌと同居し、リハビリ生活を送る。
 駅まで彼女を送ったあとのホームで、駄々をこねる少女とその父親を見かける。なんとはなしに気になったピエールはその二人の後を追う。
少女は寄宿学校に入れられ、父親は学校に渡し忘れたバックをその門の前に置いていってしまう。 バッグを拾い、父親を追いかけるも、まるで逃げるように彼は電車に飛び乗る。
いぶかしげに鞄をあさるピエールは、その中に入っていた手紙にて、彼が二度と娘に会いに来ないつもりであることを知る…。

少女のことが気になるピエールは、日曜日に少女に会いに行く。ひょんなことから学校の修道女から彼女の父親と勘違いされともに外出することになる。
父親に捨てられた事に気付いた少女は、孤児院に入れられたくないとピエールに、彼女の孤独にシンパシィを感じたピエールは彼女に惹かれ
マドレーヌが仕事でいない日曜日に逢瀬をかわすことになる。

しかし、池のほとりで二人だけの時間を過ごす彼らに、周囲の人々は怪訝なまなざしを向ける…。


いや、ロリコン映画だ、ロリコン映画じゃないだと言われてますが、確かにロリコン映画ではないけどロリコン好きのする映画ですね。好きです、シベール。ごめんなさい。
まァ、それはそれとしても、鏡像や、水面と波紋、鳥かごや、影を使った一つの画面の中での人物の対比や、カメラワークによる画面の構成がとても面白い。
上に貼ってある、シャッターの穴による丸く切り取られた画面構成は今でもまったく古びていない素晴らしい演出だと思う。
シナリオのテーマも、戦争について、世界とのつながりについて、無垢さの無理解について、悲劇として、喜劇として、さまざまな解釈のできる心に焼きつく作品だと思う。
クライマックスのマドレーヌの慟哭と、シベールの悲嘆は到底忘れられない。