「廃疾かかえて」読了。

父親のかわりに出荷ウィーク。仮眠しつつも待ち時間2日で読了。

廃疾かかえて (新潮文庫)

廃疾かかえて (新潮文庫)

一躍時の人となった破滅の私小説家・西村賢太の文庫新刊。「瘢瘡旅行」の改題。


「オリモノ臭い雌」とか「体液をかわしあった女性」とか「膣臭女」とか、衝撃的すぎるゲスい言い回しにクラクラしつつも、
あいもかわらず、冷静沈着に自らの非人道的行動を、それと知りながらユーモラスに書ききる技量の素晴らしさ。
酒井順子の解説にあるように、貫多は現代の負のヒーローであるのだろう。
誰もが抑えている憤懣を、彼も抑えようとはしつつも、やすやすとそれを爆発させるトコロに魅力があると思う。


以前、有川浩の「別冊図書館戦争」だかで堂上教官の恥ずかしいセリフに付箋貼っていったらえらいことになった事があったんだけど
この200ページに満たない文庫本のゲスいセリフに付箋を貼ってたら、割合的に勝るとも劣らない量に…。
わっりぃーー! けん…貫多さん、ちょーわっりぃー!