「教養としてのゲーム史」読了。

Twitterでフォローしてるのも相まって、最近、多根清史の著書を手に取るのであった。

教養としてのゲーム史 (ちくま新書)

教養としてのゲーム史 (ちくま新書)

PONから始まったビデオゲームの進化史を、ハードウェアの進化と見立ての変化から分析し、グラフィックの進化と空間描写の拡大。
拡大された空間に詰め込まれた世界観。そして求められた仮想世界のシミュレートと、さながらビデオゲームの壮大な歴史書だった。
そして、意外とリリカルな文章が散見されたりして、いちばんグッときたのはときメモの学園生活シミュレーションとしての一文。

しかし、地道な三年分にはちゃんとした意味がある。毎朝決まった時間に登校し、授業を受け、意中のヒロインと部活でのひとときを共にしたり、あるいは帰宅部として一緒に下校する。今日と同じような明日の中には、初恋のさざ波が起こるかもしれない。大人になって失われたモラトリアム、退屈という名の充実である。

ときメモが単なるギャルゲーではなく、過ぎ去った理想の学生生活を過ごせると言うゲームを見事に言語化してて素晴らしい。