「人もいない春」読了。

最近、方々に手を伸ばして全部中途半端になっててイケナイである。 さくっとこちらを読了。

人もいない春 (角川文庫)

人もいない春 (角川文庫)

相変わらずのゲスさ満載の貫多エピソード。 「一穴主義」って良い言い回しなんですかね…。
女性関係(性関係?)に置いての気の短さに腹を抱えて笑う。ビール券から劇団員のくだりの失態は目も当てられない。
また、珍しくファンタジー風な純創作モノの物語も収録されていたけれども、創作であることで、純度100パーセントに近い悪意のようなもので描かれる物語の顛末が胸糞悪くて衝撃。
なんだろうな……個人経営のレストランで嫌なことでもあったのかな…。
ラストの「昼寝る」では、長引く風邪っぴきに痺れを切らすくだりで、ついうっかり貫多に同調してしまったために、その後のみじめな展開にもしっかりシンクロしてしまう羽目に。
「ゲスいなァ。貫多、ゲスいなァ」と嘲笑してたら、自分自身のゲスさも浮き彫りになって冷や汗かいた。
ゴメンよ、春恵!