「苦役列車」読了。

先日表題作を読み終えた文庫本。 「落ちぶれて袖に涙の振りかかる」も読了。

苦役列車 (新潮文庫)

苦役列車 (新潮文庫)

藤澤清造に傾倒する前と後の極端な北町貫多が綴られる二篇。
彼女持ちの専門学生を妬む呪詛としての「さかりのついた雌学生にさんざロハでブチこみやがって」や、
川端康成賞の公正さを表しての「芥川賞選考委員の乞食根性の老人も彼同様落選」と言う、相も変わらずの貫多節がしびれる…。
腰を痛めた経験があるので、「落ちぶれて…」の情けない立ち上がり描写への共感度は異常。にしても生々しすぎる。
この分だと芥川賞受賞についてどう私小説化するか、期待とハードルが上がるなァ。