KBCシネマ「MOOSIC LAB2012福岡」にて…。

映画秘宝などで目にして気になり、一部ネットニュースで恣意的な取り上げられ方もした「先生を流産させる会」が上映されると言うので、同監督の最新作との2本立てで鑑賞する。
ちょっと早めに劇場についてチケットを買い、サブカルピープルが四散する中、おひとりさまでウロウロする。
桐島、部活やめるってよ」が上映されてるであろうシアターから漏れ聞こえるクライマックスでちょっとグッときてたりもしてた。
そのうち、いつもとは違う入口から整列を促されて並ぶ。この時におひとりさま女子と並べれば話しかけられたのにと、返す返すも悔しいおひとりさまであった。
それと、小学校2,3年ぐらいの少年を連れたわかいおかーさんがいてちょっとびっくりする。 大丈夫なんだろうか。色々と。


まずは内藤瑛亮監督新作「お兄ちゃんに近づくな、ブスども!」から上映。

30分の短編に濃縮されたネガティブさのたたみかけ。 冒頭の兄のステレオタイプっぽい行動に、つい最近説得力のあるネットニュースがあったなァ…とか。
とかくこの作品は効果音と、ここぞと言う時の劇伴の使い方。不協和音の使い方がシビれる。 チッツ歌謡の音楽も効果的に響いてた。
そして鏡の効果的な使い方が素晴らしかった。特にひび割れた鏡の効果的な使い方といったら…! あと影の使い方もよかった。 総じて画面の構図の使い方がうまいと思う。
シナリオ的には男の愚かさと女の醜さというネガティブな本質を描いていて、30分で思いっきり気が滅入った………。


そして休憩なしに話題となった「先生を流産させる会」の上映であった。

色々変に話題になったりしてたけれど、これは凄い。 独りじゃ飲みこみきれない。 少女、女性、母親の不協和音がギャンギャンに鳴り響いてて翻弄されっぱなし。オトコどもはクソの役にも立たない。
ロケハンがすばらしい。田園風景の中に荒廃するラブホテル跡のイルな感じがキツイ。逃れられない地方の閉塞感にグズグズに煮詰まって腐れていく思春期のリアル。
これを見て思い出したのが、ある一定の思春期女子は妊娠している女性を見て「あの女性はセックスをした汚らわしい女性だ」という印象を大なり小なり思うのだと言うこと…。
何かの折に姉がそういうことを言っていて、そんな発想がまったくなかった自分との、感じ方の差異が、興味深かった。
だから「先生を流産させる会」を見た後に、女性の意見を聞きたかったのだけれども…………いねーなァ、話しかけられそうな女子および女子を含むサブカルグループ。


この二本立てがもう、ほんとキツくって、みた後にクラックラ来て、誰かと話し合いたかったのだけれども、ロビーには大学かなんかのサークル仲間の男女グループぐらいしかいなくって話しかけられず…
諦めて劇場を出ると、目の前に同じような感じのおひとりさま男性がいたので話しかけると、そのまま映画について、それ以外について談話に花が咲き、気が付いたら2時間近く話し込んでた…。
良い体験だった……良い体験だったが…………欲を言えばこれ、女性とそういう事をしたかったなァ……。



だからそれが思春期に気持ち悪いのだと。