「何者」読了。

桐島映画化とか直木賞とかでどんどんパフパフ。

何者

何者

まァ、色々キャッチーな作品に飛びついて、Twitterをガジェットとして用いた展開にほいほい読み進めて
もう、冒頭から、主人公と、友人と、憧れと、状況と、環境と、新たな出会いの、瑞々しくて痛々しい展開に、血反吐ぶちまける気持ちでページをめくる。
こいつがここで悩んでるのも、あいつがそこで語ってるのも、そこで繰り広げられてる状況も、いろんな感情をまとって自分を苛む鬼畜の所業。
自分が段階的に足引きずりながら這いつくばっているあの黒歴史を、それぞれの立ち位置でそれぞれに軽蔑していて全部自分にしっぺ返し。
この作者のデビュー作でも味わったような、下手に悦に入ることを許してくれない、やっぱり鬼畜の所業。


自分を棚にあげて他人を見下していた主人公が少しずつ、確実に、自覚的にはしごを外されていき
一番いいタイミングで目をそらしていたものを突き付けられるカタルシスのようなものに、ひとつの、成長を促してもらえる気がした。


まったく、勘弁してほしい。 ありがたい。