「問いのない答え」読了。

長嶋有の新刊は、名実ともに正真正銘のTwitter小説!!

問いのない答え

問いのない答え

世間でTwitter知名度が高まりだした頃に、迂闊に時流に乗ろうとTwitterを取り込もうとして、申し訳程度な使い方や、あさっての方向に向かってしまう中。
ガジェットとして、システムとして、そして本質としてのTwitterを小説にとりこんだ作品。 ちょっとリリィ・シュシュ感がある。
「ねたあとに」でも遊ばれていた「それはなんでしょう」を基軸に、まるでTLのように様々な人物の物語がシームレスに紡がれる。
また、実際にあった震災や事件と、物語へすら流れるように積み重なり、章立ても最低限のラグしか起こらない。
TLに垣間見えるフォロワーの、玉石混交の物語に、つながりやひらめきや感動を見出すには、それを楽しむ能力が必要になる。
見えないものはわからないけれど、点と点と点を、楽しめるようになりたい。