「疫病と世界史」下巻読了。

背伸びして手を付けてたノンフィクション。 ようやっと読了。

疫病と世界史 下 (中公文庫 マ 10-2)

疫病と世界史 下 (中公文庫 マ 10-2)

疫病のメカニズムがわからず、突然の病による無情な死が横行する宗教的前時代から、だんだんと科学や技術力が進化し、医学による光明と、
相反して陸路、海路の移動技術力向上によって引き起こされる疫病の猛威の拡大を繰り返し、病気を制圧していくと
健康な成人が増えることによって、社会のありかたが変化していく様に感動すら覚える。


広域な作物の生産により、個人による家畜の管理が可能になったおかげで、人よりも血のおいしい乳牛にマラリヤを媒介する蚊が寄り付くようになり、
しかも牛はマラリアにかからないため、こうしてマラリアは根絶されていった……。など
また、コレラが猛威を振るう恐怖の時代に、その恐怖を利用して排泄物処理のために上下水道の改善を強行できたこと。
長い航海でのビタミン不足によって引き起こされる致死性の高い壊血病にはレモンやオレンジなどの柑橘類が必須だったが、高価だったために、
安価であまり効果のないライムをやたらと摂取されたおかげで「ライム野郎」とのあだ名をつけられるイギリス海軍


今現在に至る高度な医療福祉に感謝の念がわいてくる読書体験だった。
ワクチン否定派クソ馬鹿ド低能とかは読むといいと思いました。