こみっくれびゅー。

  • ようやく大島弓子を読む。まァ正直演出や漫画的文法の古臭さはいなめないものの、なかなか衝撃を受けました。
バナナブレッドのプディング (白泉社文庫)
ッつーワケで大島弓子初体験。絵のタッチに関しては萩尾望都吉田秋生読んでるんで今更違和感もないんですが、アイドルやイケメンの描写がやっぱり違うなァ。光ゲンジ時代な感じ。それはともかく、表題作はまァ面白かった、巧く纏まってて。それよりも次の短編、「ピンクコート」とその次、「草冠の姫」でなんつーか新しい世界が開けた。24年組って萩尾望都しか読んでなかったから気付きにくかったけど、ものすごい叙情的。イギリスのアイドルシンガー、ピーター・ピンクコートにそっくりになった青年がピンクコートファンに持ち上げられてコスプレをする。青年のあこがれの女の子もピンクコートファンで、それをきっかけに親密になろうとするが、その子を含め皆が視ているのはピンクコートの幻影で、そのことに気付いた青年はアイデンティティが不安定になる…。まァあらすじ的にはアレなんですが青年の不安定さとファン層の浮き足立ち具合のセンシティブな描写がすごい。
いちご物語 (白泉社文庫)
んで、2冊目。「この人のお嫁さんにならなれる、とのラップランドから日本にいる林太郎をしたって生田家に来たいちご。だが、林太郎にとってはいちごは旅行中に出会った親切な日本人親子の娘というだけ。混乱の末、生田家の一員となったいちごだったが…」といったあらすじ。フルバ系の原典みたいなものになるのかな?この話で面白かったのは、日本について色々と疎いいちごに、いったん小学校に通わせるのだけれど、自己紹介のときにスウェーデン出身だと担任に紹介されて、おませな小学生が「スウェーデンはフリーセクスが有名です」って意味もわからずに(あれ、じゃあませてないか)発言。それをめぐってひと騒動あるんですが、フリーセクスの正しい意味を知らないいちごは色々な人にそれを聞きにいっちゃう。んで、生田家の長男の大学に行き、プレイボーイな大学生にそれを聞いた際に繁みの陰に連れて行かれ危うく襲われそうになる。タッチが一昔前の少女漫画風だからソフトだけど結構ヤバいとおもうんですけどコレ。それ以来いちごは潔癖症(男性恐怖症)になってしまう。なんつーかこう、「少女性」の象徴って言うかカリカチュアって言うか。 アトこの話、ラストでビックリした。ほんとに 工エエェェ(´д`)ェェエエ工工ってなった。
電波の男(ひと)よ (フラワーコミックス)
「STAY」シリーズが実写DVD化だそうで、あまり興味ないです。コレ、実写化すると生々しくなると思うんだけどなー。それはともかく、変な人たちの恋愛を描かせたらピカイチの西炯子最新刊。ブサイクとかアマチュア無線オタクとかなんか。この人の描く人ってきれいよね。んで大体浮世離れしてるからちょとファンタジー気味になっちゃうのかな。不思議。
メイド諸君! (3) (ガムコミックスプラス)
サディスト漫画家コンビ最新刊。あーまた切り裂かれたよチクショウ。女の子に免疫のないメイド喫茶ヲタがひょんなことからメイド喫茶のバイトの子と付き合うようにーって「それなんてエロゲ」シチュエーションまでは萌え萌えーなシナリオなのに、そのアト女の子と付き合うってことがわかんなくてテンパってどうでもいいことで一緒の時間潰しちゃって、そのことに自己嫌悪して送られてきたメールも返信考えてたら疲れてきちゃって返せなくって女の子だって一生懸命近づいてきてくれてんのにソレに気付かずに拒絶したら傷つけちゃったりして、勇気だして近づいてみたら向こうが経験済みってことに脅えて「非処女なんて願いさげだ」なんて虚勢張って別れて結局元通り一人ぼっちだーって。もう、そんなリアリティやだー。 あと、ちょっと上記の大島弓子の「いちご物語」ッぽくもあるかな?臆病なトコ。乙女回路?
落第忍者乱太郎 (42) (あさひコミックス)
夜中、姉と二人でリビングで静かにコミック読んでたら、コレ読んでるときにオヤジが騒々しく帰ってきて、「なんやソレ?乱太郎や?お前まだマンガげな読みようとや」とかのたまう。「乱太郎」は知ってるのか。NHKはすごいなァ。 ソレはともかく、今回の話、結構ややこしかった。小学生ってすごいなァ。今回のエピソードは「忍術学園にやってきた園田村の村長。話を聞くと、オーマガドキ軍とタソガレドキ軍がいくさを行っていて、オーマガドキ軍に勝つ見込みはない。園田村はオーマガドキ軍の領地。そこで園田村はタソガレドキ軍に物資を配給してタソガレドキ軍の配下に下ろうとしていた。しかしタソガレドキ軍の大名は強欲で評判が悪い。また、オーマガドキ軍にそのことを気付かれるのも危うい。そこで忍術学園は両軍の情報を集めて判断を下すことにした…」ってあらすじなんですが、まァぶっちゃけ真相をいいますと、「人望のないオーマガドキ軍は領地から税金を徴収できないうえに、村々は自治組織を作って領主に対抗するようになっていた。そこでオーマガドキ軍とタソガレドキ軍でいくさをし、オーマガドキ軍が劣勢との情報を広めれば村々はあわててタソガレドキ軍に賄賂を差し出す。ところが実は両軍はグルで、このいくさ自体が搾取のための芝居だった」というわけ。………コレ、普通に戦争小説とかでつかえるんじゃないか?