「空色勾玉」読了。
- コレ、3月ぐらいに前のバイト先で辞める前に社割が効くうちにと纏め買いしたうちの一つ。しかも三部作の第一部。我ながら買った順に消化しろって感じ。
それはともかく「西の良き魔女」と同じくらい荻原規子の代表作。ファンタジー好きかつ日本の古典に親しみのある著者が「古代和風ファンタジーってあんまりないよね、じゃあ自分で書いちゃえ」と言う風に出来た、なんつーか羨ましいシリーズ。イザナギ・イザナミのヨモツヒラサカのエピソードをベースとした2つの部族と伝説の物語。んー、ちょっとロミジュリ風味?あんまり恋愛って感じじゃないけど。輝の一族の統治する豊葦原のとある村、みなしごであったトコを優しい村の夫婦に育てられた主人公の少女は、ある日、実は闇の一族の巫女の末裔であるコトが判明するが、独り胸のうちにしまっておく。そして村のお祭りの晩、たまたま訪れた輝の一族の大御神の御子・月代王(つきしろのおおきみ)の目にとまり、侍女として輝の宮へと旅立つ、そして彼女の運命が動き始める……といった話。王道ですね。孤児なんで来歴否認とはちょっと違うけども、誰しも一度は(特に女の子は)夢見る白馬の王子さまシチュエーション。ほんとに白馬だし。まあ後の展開はイニシエーションによるビルドゥングスロマンですが。イニシエーションこと通過儀礼はバンジージャンプに代表される「死の実感」による自立なんですが、実感もクソもって感じでした。面白かったです。さーて第二部はちょっと厚いんだよなァ。読み始めるのはイツになることやら。とりあえず今は箸休め(?)に森博嗣の特撮パロディシリーズ第2弾「ZOKUDAM」をゆっくり消化中。あーコレはいいコメディ。
- 作者: 荻原規子
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1996/07/01
- メディア: 単行本
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