「人類は衰退しました3」「断章のグリム7」読了

いやーライトノベルはサクサク読めますね。2冊読了。

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

田中ロミオライトノベル3作目。人類が衰退し、ほとんどの文明は大自然に飲み込まれ、「妖精さん」が台頭してきた未来のお話。
今回は一冊まるまる使っての中篇といったトコか。
過去の文明を記録するための調査として、一時的に電力を復旧し、都市遺跡の調査に向かった主人公達。
妖精さんたちは復旧された電子機器から放出される電磁波を嫌って里帰りしてしまう。
そして、ファンタジーの加護のない状態でピンチに見舞われてしまう主人公達の運命やいかにー。てな感じ。
助手さんの手作り絵本で笑い転げました。ごちそうさまぁっ。


しかし何で藤子不二雄…。

シリーズ7作目。最近はおっきな事件が多かったので、今回はオムニバス。ちょっと血から抜いた感じです。…あ、誤字誤字。チカラ抜いた感じです。
えーっと、水面からカミソリ持った手が生えてきて、顔を切りつける話と、
失恋して手首に包丁突き刺してぐりぐりしてバスタブで自殺して、親友のケータイの留守電メッセージに恨み言を残す話と、
義母から隠された母親の形見の指輪を探すために、毎晩ノラネコの腹を掻っ捌いてく少女の話ですね。


……あながち誤字でもないなァ。
あ、ちなみに怪異に対するヒロインの攻撃方法は、リストカットの痛みを炎に変換して世界を焼き尽くす能力です。
もう、こんなんばっかり。


まァそれはそれとして、毎回エピソードのプロットとして童話や寓話があるんですが、今回は「欲張りな犬」「アリとキリギリス」「金の卵を産むめんどり」でした。
それぞれ、イソップ童話ですね。んー、強欲、怠惰、浅慮もしくは衝動?って感じ?
作中でも言及してますが、元々イソップ自体が童話というより寓話よりなので、物語というより、教訓に近いですね。
短編にしやすいといえば、しやすいのかも。


なぜかこの作品を読むときは、脳内でアニメ化を考えながら読んでます。こういう演出すれば、表現できるなー、みたいな。
「異形のものに見つめられる静寂の間」とか、「鳥肌が立つ表現」とかをアニメで演出するにはどうすればいいだろう?みたいな。
まァ、せいぜい思いつくのはハウリング音と、モノクロ演出ぐらいなんですがね。イマイチ手垢のついた演出だなー。