「僕は落ち着きがない」読了。

先日、先々日と出張していた父親の変わりに出荷していたわけですが、今日も今日とて会議があるからと出荷代理。さすが理事。雑事が多いぜ。
そんな中で先日購入したばかりの長嶋有の新刊「僕は落ち着きがない」を読了。


図書室の書庫を部室とする図書部の部員である望美が語り手となり、図書部をメインとした学生生活が語られる。
曰く、毎週大量の本を借りてゆく謎の転校生がいる。曰く、先生と恋愛している女生徒がいる。曰く、ケータイの学校裏サイトがある。曰く、不登校の生徒がいる。…etc.


永遠に続く気がするような学園生活の中で起こる様々な出来事に、落ち着きなく接触しては、結末を見ることもなく薄れていく日常。
移り変わりゆく世界の中で、その時々に刻まれた感情だけが確かな想い出となってゆくのだろうと思う。
たとえその感情を内包したものがなくなっても。その感情が説明できない不条理なものでも。


終わり方が唐突なだけに、余計「この作品はなんだったのか」ってことに思考が引きずられてゆきます。
町山智浩曰く「(映画を見たアト)この映画はなんだったんだろう。どういう意味だったんだろうと考えさせられるのがいい映画」とのこと。
そういう意味では、この作品はとても心に残るものであった。


ッつーわけでとりあえずこれを引用。

本を読んでいたことで、この気持ちを、殴られた痛みまで含めて、あらかじめ知っていたからだ。
本はつまり、役に立つ!

ぼくは落ち着きがない

ぼくは落ち着きがない