「天使の牙から」「キノの旅12巻」読了。
初ジョナサン・キャロル。これまたこどものもうそうblogにて紹介。って言うか、解説も書かれている。
癌で余命いくばくもない元テレビスターに訪れる、死神と会話し代償の傷を負う男の話。
若くしてハリウッドの頂点に登りつめ、頂点にて引退した元女優の、運命の出会い。
この作品は(って言うかどうやらこの作家は)いたるところに死が鎮座ましましてる。
プロローグからして、日常の中で不意に訪れる奇妙な死者のエピソード。
亡くなったはずの友人と夢の中で対話し、「知りたいこと」を何でも教えてくれるが理解できなければ原因不明の傷跡と、身体に不自由を負う。
その体験の手紙を受け取る主人公・ワイアットは、上で言ったとおり癌の告知を受け、白血病となり短い余生を複雑に過ごす。
そして彼もまた、夢の中で死者と出会ってしまう…。
もう一人の主人公。アーレンは波乱万丈の人生をハリウッドで送り、一世を風靡した直後に隠遁生活に入る。
そしてある日、素晴らしい写真とその写真を撮った報道写真家との身を焦がす恋に落ちる。
アーレンパートはほとんどがインタビュー記事や書簡、テープレターにて語られる。
悪魔は存在しない。あるのは生と死だけさ。単純すぎて、誰も信じたがらなかっただけで。
まさにこの物語の中では一見不条理なことが起こるが、その実、生と死であることしか起こらない。
だが、時にそうであると信じられないこともある。
この物語の後半で、悲鳴を上げるほどの展開が連なるが、その先に何を見るかを自分で考えなければいけない。
どうやらこの作品は、この作家にしては親切なほうらしくて、ある程度の示唆はしてくれる。
この物語が照らす細い光明は、そのまま自分自身の気付かなかった世界を照らしてくれるだろう。
- 作者: ジョナサンキャロル,Jonathan Carroll,浅羽莢子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
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キノの旅じゅうにかんでございー。
スミからスミまで物語が詰まってて、ほんと読者思いの作家ですわい。
「求める国」が一方的な気がしたなァ。平和ボケ?
「日時計の国」はオチは読めたけど十分面白い。たまにSFチックになるねー。
「賭けの話」も3人目ぐらいでオチに気付いたけど、延々と続くんでそれはそれで面白くなった。繰り返しのギャグって感じ。
「雲の前で」はなかなか面白かったけど…だれ?
「寄付の国」は自分本読むときは素っ裸で読むんで先に広告に気付いちゃったけど、それが関連してることに気付いたのは全部読み終わったあと。無意味。
アリソンシリーズはアリソンだけ読んだんだよなー。リリトレとメグセロどうしようかなァ…。今更めんどいなァ。
キノの旅〈12〉the Beautiful World (電撃文庫)
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