「町長選挙」読了。

最近、ゲームのやりすぎで眼が疲れたのか、20時ぐらいに眠くなる。


それはともかく、トンデモ精神科医・伊良部シリーズ三巻「町長選挙」読了。
今回は表題作以外はモデルとなった人物がいるみたいで、ナベツネホリエモン、宝塚出身の40代の自然体女優が出てきます。…三人目のモデルわかんなかった。
それぞれ、理想像を目標としてのし上がってきた成功者なのだけれども、理想像はいつしか自らを締め付ける重圧となり、その軋みが心身に影響を…。
また、表題作はとある離島へ2年間の研修についた公務員の宮崎良平は、極端に島を二分する選挙戦に巻き込まれ、どっちつかずのために両陣営に懐柔と強迫を迫られる。
そんな中、これまた父親からの命で2ヶ月の派遣に来た伊良部と出会い……。
っつー訳で、地方の選挙戦のカリカチュアみたいなもんでしょうか。おいら選挙とかよくわからないダメ国民ですが。搾取されろ。


それぞれに共通するのは心身に影響が出るほどの重圧に、無理して争うことはないと言うことかしら。
前に読んだ「恐怖の兜 (新・世界の神話)」で

ウグリ666

(中略)私たち自身が自分の道を選ぶのよ。だって神は私たちに自由意志を与えてくださっているのだから。

ナッツ・クラッカー

自由意志だなんて、笑わせないでくれ、ウグリ。人生は屋根からの落下のようなものさ。止まることができるかい?否。後戻りできるかい?否。横へと方向転換できるかい?そんなことは、水泳パンツのコマーシャルの中でだけ可能なのさ。自由意志というのは、要するに落下中にたわ言を言うか、地面に激突するまで黙っているかのどちらを選択すべきかと言う問題に過ぎない。古今東西の哲学者が論じてきたのは、このことさ。

って会話がありましたが、まァここまで悲観することはないけれども、流される中で、よりよい着地点への修正をするぐらいでいいんじゃないですかね。
あと、「ディスコ探偵水曜日」で気に入った一文

出来事は運命と意志の相互作用である

諦観にも、希望にも取れるコップ半分の水みたいな言葉。


まァ、そんな感じで。

町長選挙 (文春文庫)

町長選挙 (文春文庫)