「どうで死ぬ身の一踊り」「コドモダマシ」読了。

今日、明日といろいろ用事が重なって自分が出荷しに行くことに。おかげで本が読みすすむ。

どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫)

どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫)

私小説なのに、こうも心置きなくクズ人間と思えるのはある意味で圧巻。
中卒で、穀潰しで、親不孝で、DVで…と、何一ついいところなし。
町田康作品のダメ人間をより卑俗にして、「死の棘」以上の痴話喧嘩(って言うかDV)というどうしようもないクズ人間。
ダメ人間ならぬ、クズ人間。
「感銘を受けた(ドマイナーな)作家の全集を出す為に東奔西走、七転八倒する」のはいいとして、そのために母親に金を無心し、無ければ親戚に頼み込めと恫喝し、果ては姉のバイト先にまで金をせびりに行き、いさかいの末、尋常沙汰となり姉は疾走。後に千載一遇の出会いにて付き合いだした彼女にも、その親に借金をする体たらく。
しかもその彼女にも何かの拍子で激昂してしまうと手をあげる始末。
クズ野郎でもいいじゃない。どうせ死ぬんだもの。


コドモダマシ―ほろ苦教育劇場

コドモダマシ―ほろ苦教育劇場

昨日、ふと思い立って「スタンダード反社会学」のサイトに赴くと、いつのまにやら新刊が出ていたことを知る。
今日、上記の本が思ったより早く読み終わりそうだったので出荷の帰りにフタバ図書によって購入。
ちなみに書籍検索でデータを出して店員に探してもらうとめちゃくちゃ迷ってました。店長ですら分類の「社会科学」の場所がわからないって、それ分類の意味なくね?


内容はショートショートの体をとっていて、サクサクと読み進み、すぐに読了してしまいました。
とある過程の親子の会話というシチュエーションが基本で、シンプルで根本的な子供の質問に、父親が口八丁で本音や建前を理解させたり誤魔化したりする。
ほとんどの回に、それぞれのエピソードに関連のある参考書籍が紹介されていて、これまた読みたい本が増える増える。


子供やガイジンによる本質的な疑問と、詭弁まじりのビターな真実っぽい回答の両方を面白おかしく開陳できるのはまっつぁんだけ!


あと「20世紀の幽霊たち (小学館文庫)」と「日本列島プチ改造論」も購入。