「久生十蘭短篇集」読了。

mercy snowにて興味を持った久生十蘭の短篇集を読了。

久生十蘭短篇選 (岩波文庫)

久生十蘭短篇選 (岩波文庫)

1940年から1950年ごろに書かれた作品で、表記の現代文化がされているとはいえその時代特有の言い回しや表記が面白い。
しかも、描かれる時代のノスタルジックさと、博識な著者によるハイカラさの融合が不思議な世界観を作り出しとります。


おそらくは、いち早く電話によるひとり語りをに着眼点を当てた「猪鹿蝶」はすごい。
個人的に好きなのは「母子像」 思春期の少年の純粋さと歪さによる物語は、サリンジャーにも負けない高潔さがあるような、気のせいのような。