「ZOKURANGER」読了。

今日、明日と父親が視察だか研修だかで旅行に行くため、出荷は自分が行くことに。その際の待ち時間に読む本がなかったので、昨日わざわざ買いに行きましたよあっはっは。
んで、昨日買って、今日一冊読了。

ZOKURANGER

ZOKURANGER

今や、唯一買ってる森博嗣のシリーズがこれ。講談社ノベルスのシリーズはもうやめたよ…。文庫だけど。


ZOKUDAMが意外に面白かったからこっちも買ってみたんですが、やっぱり当たりでしたわい。
今回は「もしも戦隊モノが本当にあったら」的な設定で、隊員5名それぞれのエピソードで構成。
とある大学の准教授ロミ・品川が、様々な委員会の中のひとつとして任命された「研究環境改善委員会」
内容が不確かなまま、不定期な会議に参加する中、イエローのユニフォームとヘルメットがあてがわれ……。


ZOKUDAMでも、酔狂な団体が、ただただ対決させたいためにロボットを作り、それに巻き込まれる変な話でしたが
今回も酔狂な博士が作り出した5人の戦隊…のようなものを集結させる話。前回同様、集結したあとは、まァ、ご想像にと言う感じ。


各エピソードとも、一人称目線で語られるんですが、各キャラクタの内面と、客観的な言動の行間を読むのが面白い。特にグリーン。そんな設定があったとは…。
一番笑ったのはイエローがピンクの言動に心中でヒートアップする描写。

十歳も年下から言われたので、カチンときた。ステンレス製の拍子木を叩いたような高い音だった。しかも、新任とはいえ、自分は准教授、相手は助教なのだ。ちょっとまえの名称だったら、自分は助教授、相手は助手だ。両方とも「助」の字がついているが、これは助兵衛の略ではない。要するに「助力」する、「助ける」と言う意味。英語でアシストだ。お互いに協力し合うのが普通だろう。そういう立場の人間が、上司に向かってこのタメ口はなんだ? いやいや、一歩譲って、まだ口の利き方は最低限のレベルをクリアしているかもしれない。問題なのは、態度。目つきと言うか、表情と言うか、人を馬鹿にしたような仕草である。自分がそんなに可愛いと思っているのか? お前はアイドルなのか? 男がみんな自分の味方だと信じているだろう? どうせ結婚できない、男っ気のない、ふられるようなこともない、そこまで発展しない、恋愛知らずの中年女だと、はなから人のことを見下しているだろう? どうして、そういう男女関係が人間の価値を決めるのだ? セックスが人間が生きる目的なのか? え、どうなんだ、お前は! それしか考えていない、そんな顔じゃないか。 え? そうだろう? 白状しろ!

だんだん言いがかりになってくるのが笑った。まァ、次の章でピンクの目的と言うか、行動の意味がわかるんですが、それはそれで笑う。


あと、基本的にメンバ全員、妄想力が強いんですが、ブルーの至言が素晴らしい。

大学には変な人間は大勢いる。自分だって、もしかしたら変かもしれない。少なくとも平均的ではないだろう。偏った位置にいることは自覚している。しかし、他人に影響を与えるような行為は明らかに一線を越えている。いくら妄想しても自由だが、現実の他人に干渉してはいけない。それがルールである。

逸脱するのは2次元だけにしときな! かっこいい!
まァ、言ってる本人が逸脱気味なのは内緒。


そういえば、ちょくちょくチェックしてるブログ「自己満日記」にて
>私は森博嗣まったく詳しくないんですけど、ダジャレってイメージしかないので困惑してます。
と書いてありましたが…

木曽川教授は、差額の予算のうち半額を、コンピュータセンタを完全武装することに費やした。そして、その中に立て籠もったのだ。
同センタのほかの教官や係員は、見て見ぬ振りをした。だから、利用者には非常に冷たい態度で接するようになり、しだいに、「どうもセンタがこのごろつれない」と噂されるようになった。生協新聞が報じた、いわゆる「密室とつれない博士たち」事件である。

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

……あながち間違ってないな。


そういえば、「トーマの心臓」のノベライズとか言う、萩尾望都ファンにとってはある意味羨ましい本出してたなァ。
鉄道庭園といい、趣味で金を稼げるというヲタ的勝ち組だよな…この人。
評判よかったら買ってみようかしらん。