「ギタンジャリ」読了。

本日は父親が用事があったので、自分が出荷に行く。そしてあいた時間でこちらを読了。

ギタンジャリ (レグルス文庫)

ギタンジャリ (レグルス文庫)

インドの詩人、タゴールが英訳し、アジア初のノーベル賞を受賞したという作品。ギタンジャリは「神への捧げ歌」という意味だそうで。
"文学少女"シリーズからポロロッカいたしました。
序盤は「おんみ」たる創造主について詠う、どうにも抹香臭い感じだったんですが、だんだんと死生観や世界への愛についての詩を読むたびに清らかさを感じるように。
しかも、けして排他的で厭世的なわけでもないし、だからと言って俗世的で怠惰でもない、高潔で精練で地に足の着いた哲学が素晴らしい。
五八の

歓びの調べを ことごとく 私の最後の歌にとりいれよう――歓びは 大地を さんざめく草達で溢れさせる。歓びは 双子の兄弟・生と死を 広い世界で躍らせる。歓びは 嵐とともに吹き来たり、高らかな笑いで、あらゆる生命を揺り起こす。歓びは 花咲く苦悩の赤い蓮華の上で 涙をたたえて 静かに坐る。そして歓びは いっさいの持ち物を塵の中に投げ捨てて、黙して語らない。

「花咲く苦悩の赤い蓮華」ってのがものすごい印象に残る。