「死ねばいいのに」読了。

非常に珍しい、京極夏彦の現代が舞台の作品。

死ねばいいのに

死ねばいいのに

とある青年が死んだ知り合いの女性のことを知るために、彼女の関係者を訪ね、彼女のことを聞こうとする…という形式で綴られる連作短編。
しかし青年は、悪気はないのだけれども礼儀がなく、尋ねられた人々は困惑しつつ会話する。
その中であらわになる人々の表層と根っこ。 本人も、気付いていない様な…。


男は無知であり、そしてそのことを知っているために、対峙したものは、自身の身についた虚飾や頑迷さや思い込みに気付かされる。
こういうのもトリックスターって言うのかしらん。…たぶん違うな。