「月と蟹」読了。

前回と今回のラジカントロプス2.0の文学賞メッタ斬りを聞いて、直木賞を取るだろうと予想して講読。
授賞発表までに読み終わるかなーと思ったけど、受賞直前のTwitterとニコ生に気を取られて結局今日読了。

月と蟹

月と蟹

ラジカントロプス2.0の文学賞メッタ斬りで前情報を聞いたうえで読んだけれども、それでも読んでて同調して懊悩して煩悶して昇華した。
こども時代の浅慮な軽薄さと、矮小で不自由で袋小路な世界の絶望でのあがき。
ヤドカリや、「ね」や、手紙や、自転車などのガジェットやエピソードのセレクトが、リアリティとノスタルジィを効果的に演出し、物語を彩る。


世界に対する自分の行動による、思いもよらない成り行きに、少年は試練を受ける。
怠惰に状況をやり過ごしていては気付かない通過儀礼に、少年は身を呈して立ち上がる。
世界を、知る。


いやー、結局直木賞をゲットいたしましたね。よきかなよきかな。