「道化師の蝶」読了。

寝オチしないように、下半身だけ布団に突っ込んで、上半身は着る毛布をはおって読んでたけど、結局ねちった。

道化師の蝶

道化師の蝶

祝・円城塔芥川賞受賞。 ようやくここまで降りて来たか…(偉そう)
メッタ斬りの前情報と併せて読むと、より理解しやすくなった。本当に理解できてるかどうかはともかくとして。まァ、この作家はそこが面白いんだけど。
言葉によって着想を得る。手芸によって言葉を紡ぐ。場に応じた本を読む。旅間にしか読めない本。言葉と物語と着想と手芸と。A.A.エイブラムスと友幸友幸。
エピソードは縦軸と横軸に折り重なり、円環を描いて着想を捉える網となる?
西尾維新が言葉遊びに長けた作家であるように、円城塔も言葉についての意識が強い作家であるけれども、それだけではないよな…と思っていたのだけれども
帯の「現代言語表現の最前線」で腑に落ちる。言葉遊びの上位互換というか、言語表現と、その物語による物語自身のメタ的構造、構成。


「松ノ枝の木」も、誤訳と誤読をそのまま飲みこみ、互いに紡ぎ、変換し合う異国の作家たちの語る物語が、まるで染色体のように時に絡まり時に並列し
その実、常に離れて思索を紡ぎ物語を書き文字を連ねる。 一筆一筆、動かし始める。


どこまで分かりやすいトコまで降りてくるのか。どういう作品になるのか。 まったく目が離せない作家であるなァ。