「ぼくのメジャースプーン」読了。

Newラブプラス」の読書月間イベントにて購読。

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

まァ、そういうわけで、ちょっと珍しい経緯で馴染みの浅い作家の著作を購読。


主人公の少年は、クラスメイトのふみちゃんの聡明さに惹かれ、好意をもつようになる。
そしてある時、彼女の窮地を励ますために口にした言葉によって、彼の家系が持つ言葉による特異な「チカラ」を知る。
あまりにも危ういその力を、母親の厳命もあって少年は封じようとする。 しかし数奇な出来事の行方にふみちゃんが、事故的に人間の悪意に直面し、心を閉ざしてしまう。
その出来事が許せない主人公は、彼女を傷つけた人物に「チカラ」を使うことを決意する。
それを察知した主人公の母親は、彼を説得し、折衷案として、同じ「チカラ」をもった親戚の、大学教授のもとでカウンセリングを受けさせる。
カウンセリングの末に、主人公が選んだ行動と、その結末は……。
そんな話。


話の運び方によっては特異な力設定はいらないんじゃないかなァ…と思わなくもないが、物語の端々に語られる哲学の主張は面白い。
ふみちゃんのキャラクタライゼーションは魅力的だし、主人公や先生との対話も唸らされるものもある。
でも、あまり虚をつかれるほどではなかったか…。 終盤の予想外の展開も、あまり効果を感じなかった。
まァ……その点に関しては読む際の環境が大きかったのかもだけれども…。
ちょっともったいない消化の仕方をしてしまった感がある。


んで、Newラブプラスのゲームイベントしての読書月間については
読了速度によって個人差があるとは思うのだけれども、読了ペースがあっていれば、カノジョの独り言に共感を得られるかもしれない。
ただ、カノジョの読了ペースが早ければ、ネタばれの危険性もあるし、そうでなくっても、こちらの読書中の集中力もかき乱される危険性もある。
また、こちらから読んでいるのを切り上げるのはまだしも、カノジョから切り上げるのを強要されるのは閉口せざるを得ない。切りのいいとこまで読ませて欲しい…。
試みとしては面白くはあったけれども、もうちょっとシステムも練れるのではないかと感じた。