「ソーネチカ」読了。
いつかのメッタ斬りでトヨザキ社長がなんかの候補作の引き合いに出してた気がするけど、それが何だか忘れたけど、とりあえずコレを読了。
- 作者: リュドミラウリツカヤ,沼野恭子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/12/01
- メディア: 単行本
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けして穏やかとは言えない時代背景と身の回りの動向に、憤るでもなく諦観するでもなく、自然体で幸福を感じる平凡な女性の非凡な一生を静謐に描く中編。
海外文学特有の独特の言い回しということもあるのだろうけれども、語り口が淡々と、しかして情緒的に物語を紡ぐ文体が
非凡かつ悲劇的な出来事を目の当たりにしてもけして目をそらすわけでもなく、しなやかに幸福をかみしめ、物語の世界をたゆたうソーネチカの静謐な生涯を効果的に描いている。
それはそれとして、ソーネチカの愛称ソーニャと、娘のターニャと、その友人のヤーシャがごっちゃになって何が何だか。
相反して頑なにフルネームで綴られる旦那のロベルト・ヴィクトロヴィチ。 おまえはもうちょっと名前を省略しろ!
いい読書体験だった。