「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」完結。

まずは前の巻を復習。

最終巻前に読み返してよかった。 いままでの俺妹を総括する年表とともに、桐乃と京介の現在に至るまでの根幹が語られる、まさにラストに向けての収束点。
そして麻奈美が本気出す。おかげでみんなも本気出す。 ヤバい。超ヤバい。 これまでハーレムラノベのテンプレを利用して普遍的なテーマを紡いできたこの作品がどういう落とし前をつけるか……。そして最終巻読了。 うあー。 これは、ちょっと、あー、予想外だった。 解体に次ぐ解体。丁寧に定石を破壊。親切にもエンタメを盛り込んで
テンプレと伏線とどんでん返しと、ほろ苦さと、青春の痛みと、ちょっとしたスパイスを、最後には、軽く甘さも残して。毒を込めて。
あやせは切なかった。黒猫は痛みに共感した。桜井のフードの下に涙した。加奈子はファンタスティックだった。麻奈美は、壮絶だった。
すべてに決着をつけて、すべての決着をつけて、ハーレムものを解体して、潔く終わる結末は、なかなか、感慨深いものがあった。
最後のいたずらは、ちょっと蛇足な気もするけどね。