「混沌ホテル」読了。

大森望訳によるコニー・ウィリス傑作短編集。ユーモア編。

犬は勘定に入れません」や「ブラックアウト」の評判の高いコニー・ウィリスだけれども、ボリュームあるから手を出しづらいなァ……。
と思ってた矢先に、とっつきやすい短編集が。しかも2大SF大賞受賞作が軒並み収録されてるってんだからありがたい。


ハードSFのような設定をユーモラスな物語に組み込んだ表題作や「魂はみずからの社会を選ぶ」のどうにかついていけてるような気がする類の作品から
近未来を舞台にユニークなキャラクタとツイストのきいた設定から滑稽な主義主張を浮き彫りにして風刺する「女王様でも」や
インチキ心霊主義やスピリチュアル業をユニークにひっかきまわす「インサイダー疑惑」と、クリスマス・オーバーロード・ミステリな「まれびとこぞりて」
どれもがどれも、深い教養とウィットにとんだセンス。そしてちょっとしたいたずら心が詰まった素晴らしい作品の数々だった。


H・L・メンケンの語録集とかないんですかね。