「毛皮のヴィーナス」鑑賞。

二組の夫婦による「おとなのけんか」がめちゃくちゃ面白かったロマン・ポランスキーの、さらにタイトな2人劇。

マゾヒズムの語源になったマゾッホによる「毛皮を着たヴィーナス」の舞台のオーディションで、演出家の男性と女優志望の女性が繰り広げる2人劇。
一介の女優志望によって強引に再開されたオーディションにいやいや付き合う演出家だったが、見違えるような舞台上の彼女に次第に立場が移り変わり……。
オーディションによる、芝居の演技と、演出の打ち合わせの会話がシームレスに飛び交い、やがて魅了される演出家と情熱を帯びる女優のやり取りはどこまでが芝居なのか、素なのか。
おとなのけんか」でも、会話の流れを分断する装置として携帯電話を効果的に使ってたけれど、「毛皮のヴィーナス」ではさらに着信音という機能を使って演出してたのが面白い。
ポランスキーは日常での携帯電話について思うところがあるのだろうか。


圧倒的な物語の終わり方は呆気にとられること請け合い。
これは、もう一度見返さなきゃ……。