「田村はまだか」読了。

本日は父親に変わり出荷に。おかげで包装待ちの間で一冊読み終わる。って言うか、車の中でも信号待ちとかで読んでる。


あらすじ…と言うか舞台設定は、40歳になる男女5人が、小学校クラス会の三次会に深夜のバーでグダグダと時間を潰す。
彼らは一人のかつての同級生を待っている。かつて「孤高の小六」と言われた「田村」を。
深夜、40歳、三次会。人生にぽっかり空いた空洞の様な時間。それぞれの脳裏には、印象深い過去が泡沫のように浮かび上がる。
薄膜のように自らに張り付く過去を打ち破るには、何かきっかけが必要で…。触れられそうなほど停滞したこの時間はきっと田村がくれば動き出す。
だから、早く来いよ、田村。 おまえが来れば、何かが変わりそうな気がするんだ。


第四話の「きみとぼくとかれと」が印象に残った。 基本的に、それぞれの心残りは「行動しなかったこと」に起因すると思うんだけど
特にこの話では、それが顕著に現れていると思う。スピードと、青い星と、きみのかれと、ぼく、おれ、わたし。 そして、田村。


「なにをしても、していなくても、齢ってとっちゃうもんじゃないの?」


ベケットの「ゴドーを待ちながら」のゴドーが神を連想させるように、「田村」もまた、この停滞した時間を打ち破る何かを印象付ける。


だから、早く来いよ、田村。

田村はまだか

田村はまだか